インプラントができないと言われた理由と対処法・代替治療法

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「骨が足りないため、うちではインプラントはできません」と言われ「入れ歯やブリッジしか選択肢はないのか」「もう以前のように自然に噛むことはできないのか」と思っていませんか?
ある歯科医院で「できない」と断られても、それはあくまで「その医院の設備や技術では対応が難しい」という意味であり、インプラント治療そのものが不可能とは限りません。骨を増やす骨造成をおこなえる医師であれば、インプラント治療が可能な場合もあります。
本記事では、インプラントができないと言われた理由と理由に合わせた対処法を解説します。
インプラントができないと言われた方がする骨造成の種類もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

インプラントできないと言われた理由と対処法

インプラント治療を断られるのには、医学的なリスクや安全性の問題など、何らかの理由が存在しますが、すべてのケースで不可能というわけではありません。 医師の技術力不足や設備の不備が原因でできないと判断される場合もあれば、現在の健康状態を改善すれば可能になる場合もあります。
ここではインプラントができないと言われる理由と対処法も解説します。

  • 下顎が神経や血管と近い
  • 重度の歯周病や虫歯がある
  • 歯並びが悪い
  • 喫煙習慣がある
  • 全身疾患を患っている
  • 20歳未満である
  • 妊娠している
  • 顎骨の量や厚みが足りない

ひとつずつ見ていきましょう。

下顎が神経や血管と近い

下顎の骨のなかには唇や舌の感覚を司る太い神経や血管が通っており、インプラントを埋め込む際に傷つけて麻痺が残るリスクがあると、手術はできないと判断される場合があります。骨の高さが十分にない場合に起こりやすく、少しでもドリルが深くまで到達すると重大な事故につながるため、多くの歯科医師は慎重にならざるを得ません。

安全を確保できる十分な骨の距離がないと、通常の埋入方法ではリスクが高すぎるのです。

対処法

通常のサイズよりも短いショートインプラントを使用したり、神経を避けるように斜めに埋入したりする高度なテクニックを持つ医師に相談すると、治療が可能になる場合があります。
また、CT撮影をおこなって神経や血管の位置を立体的に把握できる設備がある歯科医院を選ぶのも重要です。
どうしても骨の高さが足りない場合は、骨を増やす手術を併用できる専門医のセカンドオピニオンを受けてみましょう。

重度の歯周病や虫歯がある

口のなかに重度の歯周病や放置された虫歯があり細菌が多い状態では、手術後に傷口から感染を起こし、埋め入れたインプラントが抜け落ちるリスクがあるため治療を断られます。
インプラントは天然の歯よりも細菌への抵抗力が弱く、不潔な環境のまま手術を強行するのはリスクが高い行為です。まずは口内環境をリセットし、健康な土台を作るのが最優先となります。

対処法

インプラント手術を受ける前に、歯科医院でのクリーニングやブラッシング指導を受けて歯周病や虫歯を完治させ、口のなかの細菌数を減らす治療に専念してください。しっかりと治療をおこない、歯茎の状態が引き締まって口腔内の健康を取り戻せば、インプラント手術が可能になる場合もあります。
焦って手術を急ぐのではなく、まずは長期的に安定して使える口腔環境を整えましょう。

コラム

歯周病でもインプラントはできる?治療法や歯周病の再発予防法を解説

「インプラントにしたいけれど歯周病があると断られるのでは?」
「せっかく高い治療費をかけても歯周病のせいでインプラントが抜け落ちてしまったらどうしよう」
歯周病の方でインプラント治療を検討している方のなかには、上記のようなお悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか?[…]

歯並びが悪い

歯が傾いて倒れ込んでいたり、インプラントを埋めるための十分なスペースが空いていなかったりすると、物理的に器具が入らず適切な位置に埋入できないため断られる場合があります。無理に狭い隙間にインプラントを埋め込むと、隣の歯根を傷つけたり、噛み合わせのバランスが崩れてインプラントや周囲の歯に過度な負担がかかったりする原因になります。
長期的な維持を考えると、土台となる歯並びや噛み合わせに問題がある状態でインプラントはおこなうのはおすすめできません。

対処法

まずは部分的な矯正治療をおこなって倒れた歯を起こしたり、スペースを広げたりして、インプラントを埋入するための環境を整えるのが有効な対処法です。
矯正専門医と連携している歯科医院や、総合的な治療計画を立てられるクリニックの場合、矯正とインプラントを組み合わせた治療を提案してくれます。
歯並び全体を整えると見た目も機能も改善されるため、まずは矯正治療が可能か相談してみましょう。

喫煙習慣がある

日常的にタバコを吸っていると、ニコチンの作用で血管が収縮して血流が悪くなり、傷の治りが遅れたり、骨とインプラントが結合しにくくなったりするため治療を断られる場合があります。
喫煙者は非喫煙者に比べてインプラントの失敗率が高く、治療後にインプラント周囲炎にかかって脱落するリスクも高いです。 予後の悪さが懸念されるため、多くの歯科医師は喫煙者の手術に対して慎重な姿勢をとるでしょう。

対処法

インプラント治療を成功させるためには、手術の前後を含めて禁煙をおこないましょう。 どうしてもやめられない場合は、リスクを十分に理解したうえで治療を引き受けてくれる医院を探すことになりますが、インプラント保証の対象外になる場合があります。
高額な治療費を無駄にしないためにも、インプラント地用を機に禁煙外来を利用して、健康な体と歯を手に入れるのがおすすめです。

全身疾患を患っている

重度の糖尿病や高血圧、心疾患、骨粗鬆症などの持病がある場合や、血液をサラサラにする薬を服用している場合は、手術中の出血が止まりにくかったり感染症にかかりやすかったりするため断られます。体の免疫力が低下していると、手術後の治癒が遅れるだけでなく、インプラントが骨とうまく結合しない原因にもなるのです。
全身の状態がコントロールできていない段階での外科手術は、命に関わるリスクもあるため慎重な判断が必要です。

対処法

かかりつけの主治医と連携し、血糖値や血圧の数値を安定させたり、手術の前後だけ薬の服用を一時的に休止したりすると、インプラント治療が可能になる場合があります。
また、生体モニターで全身管理設備が整った病院や、麻酔科医が常駐している大学病院などの高度医療機関を選ぶと、持病があっても安全に手術を受けられます。
個人の歯科医院で断られても諦めず、まずは内科医と相談したうえで専門機関を訪ねてみましょう。

コラム

糖尿病でもインプラント治療はできる?治療を受けるリスクを解説

「インプラントは糖尿病でもできる?」「糖尿病がインプラント治療におよぼすリスクは?」と思っていませんか?
インプラント治療は、糖尿病の方でも医師と共にしっかり管理されている場合は可能です。しかし、口腔内や身体の健康状態によって治療を断られる場合もあります。[…]

20歳未満である

顎の骨が成長途中である未成年の時期にインプラントを埋め込むと、骨の成長とともにインプラントの位置がずれてしまったり、周囲の骨の発育を妨げたりするリスクがあるため治療はできません。インプラント体は骨と結合して動かないため、成長によって歯の位置が変わると、まるでインプラントが骨の中に埋没したような状態になるリスクがあります。
将来的な顔貌のバランスや噛み合わせへの影響を考慮し、顎の骨の成長が完了するまでは治療がおこなえません。

対処法

顎の成長が完全に止まる20歳前後までは、入れ歯やブリッジ、あるいは仮歯などで見た目と機能を補いながら、インプラントができる年齢になるのを待つのが一般的な対応です。
成長のスピードには個人差があるため、定期的にレントゲン撮影をおこなって骨の状態を確認し、医師と相談しながら最適なタイミングを見極めます。焦って治療をするよりも、顎の骨の成長が止まったのを確認してからおこなうほうが、一生使える美しい歯を手に入れられます。

妊娠している

妊娠中は、手術に伴う麻酔や痛み止め、抗生物質などの薬が胎児に影響を与える懸念や、精神的なストレスが母体の負担になるのを避けるため、緊急性のないインプラント手術はおこないません。
また、ホルモンバランスの変化によって妊娠性歯肉炎になりやすく、手術後の歯茎の治癒が悪くなったり、炎症が悪化したりするリスクも高まります。
X線検査も含め、あえて妊娠中にリスクをおかしてまでインプラント治療をおこなうメリットがないと判断されるのが一般的です。

対処法

原則として、出産を無事に終えて体調が回復し、授乳期間が落ち着いてから治療を開始するのが、母子ともに安全で確実な方法です。
妊娠中に歯を失った場合は、仮歯や入れ歯で一時的に対応し、まずは定期検診を受けて口内環境を清潔に保つことに専念しましょう。
つわりで歯磨きが難しい時期もありますが、歯科衛生士のアドバイスを受けながら、産後の治療に向けて準備を整えるのが大切です。

顎骨の量や厚みが足りない

歯周病や抜歯後の放置によって顎の骨が痩せてしまい、インプラントを支えるのに十分な厚みや高さがなくなると、しっかりと固定できないため骨が足りないという理由でインプラント治療を断られる場合があります。インプラントはネジのような構造をしているため、それを埋め込むための土台となる骨の量が不足していると、突き抜けたりグラグラしたりする原因になるのです。
一般的な歯科医院では、標準的な骨の量があるケースしか対応していない場合も多く、難症例として断られる典型的な理由です。

対処法

自分の骨や人工骨を移植して不足している部分を補う骨造成(GBR法やサイナスリフトなど)という再生療法をおこなうと、骨が少ない人でもインプラントが可能になります。
ただし、骨造成には高度な外科手術の技術と経験が求められるため、骨造成の実績が豊富な専門医を探して相談する必要があります。「インプラントはできない」と言われても、再生療法を得意とする別の医院であれば対応できる場合もあるため、諦めずに探してみましょう。

コラム

奥歯のインプラント治療ができないといわれる理由とは?

失った歯を取り戻す方法として有効なインプラントですが、「奥歯のインプラント治療はできない、難しい」といわれることがあります。実際に奥歯のインプラント治療はリスクが高く、お口の状態によってはおすすめできないことも。[…]

骨不足でインプラントができないと言われた方がする骨造成の種類

ここでは代表的な6つの骨造成の種類を解説していきます。

  • GBR法
  • サイナスリフト
  • ショートインプラント
  • スプリットクレスト
  • ブロック骨移植
  • 傾斜埋入・オールオン4

ひとつずつ見ていきましょう。

GBR法

GBR法は骨誘導再生法とも呼ばれ、骨の幅や高さが足りない部分に自家骨や人工骨を詰めて、骨の再生を促す治療法です。骨が欠損している箇所をメンブレンという特別な膜で覆い、歯茎が入り込むのを防ぎながら骨が再生するスペースを確保します。
インプラントと同時に埋め込む場合と、先に骨を作ってから埋め込む場合があり、幅広い症例に対応できるのがGBR法の特徴です。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎の骨の厚みが極端に薄い場合に、鼻の横にある空洞上顎洞の底を持ち上げて骨を作る手術です。頬側の歯茎を切開して横からアプローチをおこない、持ち上げた空間に十分な量の骨補填材を填入して、インプラントを埋め込める厚みを確保します。
サイナスリフトは身体への負担は比較的大きいですが、広範囲にわたって多くの骨を造成できるため、上顎の奥歯を複数本失った場合に有効な手段といえます。

ショートインプラント

ショートインプラントは、通常よりも長さが短いインプラント体を使用すると、骨の高さが足りない場所でも大掛かりな骨造成なしで治療できる方法です。従来は長いインプラントが有利とされてきましたが、表面性状の進化により、8mm以下の短いタイプでも十分な結合力と耐久性が得られるようになっています。
ショートインプラントは神経や血管までの距離が近くて危険な場合や、高齢で手術の侵襲を減らしたい人にとって、安全かつ身体に優しい選択肢といえます。

スプリットクレスト

スプリットクレストは、骨の高さはあるものの幅が薄い場合に、骨の頂上部分を分割して隙間を広げ、そこにインプラントを埋入する手法です。専用の器具を使って骨を少しずつ押し広げ、そのスペースにインプラントを挟み込むように固定するため、初期固定が得られやすいのがメリットといえます。
スプリットクレストは骨を削る量が少なく、自分の骨を最大限に活用できるため治癒も比較的早いですが、骨の質がある程度柔らかい場合に適応が限られる治療法です。

ブロック骨移植

ブロック骨移植は、粉末状の骨補填材では対応できないほど広範囲に骨が吸収されている場合に、自分の下顎からブロック状の骨を採取して移植する方法です。採取した板状の骨を足りない部分にネジで固定し、数カ月待って完全に生着してからインプラントを埋入するため、確実性の高い土台作りが可能になります。
骨を採取する部位にも傷ができるため身体的負担は増しますが、重度の骨欠損でもご自身の骨を使って安全に回復できるのがブロック骨移植のメリットです。

傾斜埋入・オールオン4

傾斜埋入は、骨が十分に残っている部分を選んでインプラントを斜めに埋め込み、骨がない箇所を避けて固定する外科的なテクニックです。 とくにオールオン4という治療法で用いられ、長いインプラントを斜めに埋入して接地面積を稼ぐと、骨造成の手術をせずに即日で仮歯まで装着できます。
オールオン4は骨を増やす手術を回避できるため、治療期間の短縮と費用の削減につながり、患者さんの負担を減らせるのが特徴です。

インプラントできないと言われた場合の代替治療

インプラントができないと診断されても、失った歯を補うための治療法はほかにも存在します。以下ではインプラントができないと言われた場合の代替治療をご紹介します。

  • ブリッジ
  • 接着性ブリッジ
  • 入れ歯
  • 歯牙移植

ひとつずつ見ていきましょう。

ブリッジ

ブリッジは、失った歯の両隣にある健康な歯を削って土台にし、橋を架けるように連結した人工歯を被せる固定式の治療法です。違和感が少なく、自分の歯に近い感覚でしっかりと噛めるのがブリッジの魅力ですが、支えとなる健康な歯を削らなければならないのがデメリットです。
ブリッジは保険適用で白くできる部位も増えており、手術なしで短期間に治療を終えられるため、外科処置への不安がある方や費用を抑えたい方に向いています。

接着性ブリッジ

接着性ブリッジは、両隣の歯を大きく削る代わりに、裏側に金属やセラミックの羽を接着剤で貼り付けて固定する、歯への負担が少ない治療法です。通常のブリッジのように健康な歯を全周削る必要がないため、できるだけ自分の歯を残したい方におすすめです。
ただし、接着力に頼る構造上、強い力がかかると外れやすいため、噛み合わせの状態や適応できる部位について、事前に担当医とよく相談しましょう。

入れ歯

入れ歯は、取り外し可能な装置を使って欠損部分を補う方法で、手術の必要がなく、ほとんどすべての症例に対応できる治療法です。 保険診療の場合は費用を安く抑えられますが、クラスプと呼ばれる金属の留め具が見えてしまったり、噛む力が弱かったりする欠点もあります。
自費診療を選ぶと、留め具がなく見た目が自然なタイプや、違和感が少ない薄型のものも作れるため、予算や審美性に合わせて幅広い選択肢から選べるのが入れ歯のメリットです。

歯牙移植

歯牙移植は、親知らずや噛み合わせに関与していない不要な自分の歯を、歯を失った場所へと移植して再利用する再生治療のひとつです。 人工物であるインプラントとは異なり、歯の根にある歯根膜という組織も一緒に移植できるため、治療後は本来の歯と同じような自然な噛み心地を取り戻せます。
歯牙移植は条件が合えば保険が適用されるケースもありますが、ドナーとなる健康な歯が必要であり、高度な技術を要するため対応できる医院が限られているのが現状です。

まとめ

インプラントができないと言われても諦める必要はなく、骨造成といった専門的な治療やセカンドオピニオンを活用すると、インプラントができる場合があります。
インプラントができないという診断はあくまでその医院の判断に過ぎないケースが多いため、まずは理由を明確にし、他院での相談や高性能なブリッジなどの代替案を含めて幅広く検討するのが重要です。納得のいく治療法を自ら選び取り、再び美味しく食事ができる豊かな生活を取り戻しましょう。
当院では、経験豊富な医師によってインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニック港南台へお気軽にご相談ください。