2024/12/01

インプラントは画期的な治療である一方、メリットだけでなくデメリットも多く語られています。
そんなインプラント治療について、以下のような不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
「インプラントは老後が悲惨って聞いたけど本当?」
「老後までインプラントのメリットは続く?」
お口の健康は老後まで意識したい部分です。老後になってあれこれ不備がでてくるのであれば、治療に踏み切れないと考える方もいるでしょう。
そこでこの記事では、「インプラントは老後が悲惨といわれる理由」や「老後にこそおすすめできるインプラントのメリット」「老後のインプラントを成功させるポイント」について解説します。
これからインプラント治療を検討されている方や、老後のインプラントに不安を抱えている方などは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
インプラントは老後が悲惨といわれる理由やデメリット

インプラントは天然歯に近い噛み心地を得られる優れた治療法ですが、一部で「老後が悲惨」といわれる場合があります。しかし、インプラントそのものが問題なのではなく、加齢による身体の変化やメインテナンス不足が主な原因です。
ここでは、老後に注意したいインプラントのリスクやデメリットを解説します。
- 加齢により歯周病のリスクが高まる
- 要介護になりメインテナンスに通えなくなるリスクがある
- 認知症になり日常のケアができなくなるリスクがある
- インプラントの手術に耐えられる体力がない可能性がある
- インプラントは治療費用の負担が大きい
- インプラントと骨が結合する難易度が高い
- 顎骨の状態によっては治療できる歯科医院が限られる
- 全身疾患や服薬の影響でトラブル時の対応が制限される
ひとつずつ見ていきましょう。
加齢により歯周病のリスクが高まる
加齢によって歯周病のリスクが高まるのが、インプラントが老後に問題になりやすい理由のひとつです。インプラント自体は虫歯になりませんが、周囲の歯茎や骨に炎症が起こる「インプラント周囲炎」を発症する場合があります。
インプラント周囲炎が進行すると、インプラントを支える骨が溶けて、最終的に脱落する恐れがあります。
長期間インプラントを維持するためには、若いうちから継続的なセルフケアと定期検診が欠かせません。
要介護になりメインテナンスに通えなくなるリスクがある
要介護状態になると、歯科医院へ定期的に通院するのが難しくなり、十分なメインテナンスをおこなえずにインプラント周辺にトラブルが起こる可能性があります。インプラントは治療後のメインテナンスが非常に重要なため、通院が途絶えることでインプラント周囲炎やインプラントの脱落などのトラブルにつながります。
また要介護だけでなく、高齢になるにつれ移動手段が限られたり、身体機能が低下したりするため、口腔内の管理が不十分になりがちです。将来的な通院環境も考慮したうえで治療方法を選ぶことが大切です。
認知症になり日常のケアができなくなるリスクがある
認知症によって日常的な口腔ケアが難しくなると、インプラント周囲炎などのトラブルが起こるリスクが高まります。インプラントは治療後も継続的なケアが必要なため、認知症の発症や進行によって十分な管理ができなくなることが、インプラントは老後が悲惨といわれる理由のひとつです。
認知症を発症すると、毎日の歯磨きや歯間清掃などを適切におこなうのが難しくなる場合があります。また、症状の進行によって判断能力が低下すると、本人から歯科治療への理解や協力を得ることが難しくなるケースもあります。
そのため、インプラントを検討する際は、将来的に介護を受ける可能性や口腔ケアを家族に手伝ってもらう必要性も考慮することが大切です。現在の口腔状態だけでなく、将来の生活環境まで見据えて、家族や歯科医師と相談しながら治療方法を選びましょう。
インプラントの手術に耐えられる体力がない可能性がある
高齢になってからインプラント治療を検討する場合、外科手術に耐えられる体力が十分でないおそれがあります。
インプラントは顎の骨に人工歯根を埋め込む外科処置が必要です。健康状態によっては手術の負担が大きくなったり、治癒に時間がかかったりする場合があります。
そのため、インプラントを希望する場合は、比較的健康状態が安定している時期に検討しましょう。
インプラントは治療費用の負担が大きい
インプラントは自由診療であるため、治療費が高額になりやすいのがデメリットです。一般的には1本あたり30~50万円程度の費用がかかり、複数本治療する場合はさらに負担がかかります。
また、被せ物の交換やメインテナンス費用が将来的に発生する場合もあります。老後の生活を考えながら、長期的な費用負担も含めて検討するのが大切です。
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2025/01/06
インプラントと骨が結合する難易度が高い
高齢になると骨の代謝機能が低下するため、インプラントと骨が結合するまでに時間がかかる場合があります。骨粗しょう症がある場合は、さらに慎重な判断が必要です。
骨との結合が十分に得られないと、インプラントが安定せず治療計画の変更が必要になる場合もあります。
インプラントを検討する際は、事前の精密検査によって、骨の状態を詳しく確認するのが重要です。
全身疾患や服薬の影響でトラブル時の対応が制限される
糖尿病や心疾患などの全身疾患を抱える方や、血液をサラサラにする薬や骨粗しょう症治療薬を服用している場合、外科処置に制限が生じる場合があります。高齢になると、全身疾患を発症するリスクや薬を服用する可能性が高まるため、注意が必要です。
インプラントにトラブルが起きた際も、全身状態によっては外科的な再治療が難しくなるおそれがあります。そのため、治療前には持病や服薬状況を歯科医師へ正確に伝え、十分な相談をおこなうのが大切です。
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2025/06/23
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2025/09/29
老後にこそ実感できるインプラントのメリット

ここまでインプラントは老後が悲惨と言われる理由についてご紹介してきました。ですがインプラント治療には、治療をしてよかったと老後に感じられる以下のようなメリットも存在します。
- 噛む力を保てる
- 外見を若々しく保てる
- 認知症リスクを軽減できる
- 人工歯の管理がしやすい
- 周囲の健康な歯を守れる
- 誤嚥性肺炎のリスクを軽減できる
それぞれ解説します。
噛む力を保てる
噛む力は重要な機能の一つです。食事の際にきちんと噛むことができないと、消化器官に負担をかけてしまいます。また、噛めないとなると食事の内容も偏りがでてしまうでしょう。食事内容の偏りは健康状態にも影響を与えます。 インプラント治療において、噛む力は自然歯と同じくらい保てます。歯のない状態を放置せずにインプラント治療をおこなったほうが、老後も健康な生活を送れるでしょう。
外見を若々しく保てる
口元は、顔の印象を左右します。インプラント治療によって美しい歯が並ぶことで、顔全体が明るく感じられ、若々しく見られるようになるでしょう。 インプラント治療により失った歯を元のように戻せられれば、見た目の美しさを保てます。口を開けて話したり、笑ったりできるのはインプラントのメリットです。
認知症リスクを軽減できる
インプラント治療を受けて歯があった頃のように噛めるようになると、認知症のリスクを軽減でます。噛む力は、脳に刺激を与えるためです。 また、咀嚼により視覚や聴覚などの感覚にも刺激を与えます。そのため、脳が活性化され、認知症以外にも脳に良い影響を与えるでしょう。
人工歯の管理がしやすい
失った歯の治療にはインプラント以外にもブリッジや入れ歯・差し歯があります。これらは取り外してメンテナンスする必要があるのに対し、インプラントは取り外しの必要がありません。また、メンテナンスも自然歯と同じようにおこなえば良い点もメリットです。 歯ブラシやフロスなどこれまでと同じようにセルフケアできる点は、老後生活するなかで大きなメリットになるでしょう。
周囲の健康な歯を守れる
インプラントは、治療を進める中で周囲の健康な歯に影響を与えません。 一方ブリッジや入れ歯などは、隣り合わせる健康な歯に影響を与えます。入れ歯の場合はバネを隣り合わせる歯にかけますので、通常の生活以上の負担を与えることになります。また、ブリッジの場合も両隣の健康な歯を削る必要があり、周囲の歯を傷つけるリスクが高いです。 健康な歯を健康な状態で守れるのは 、インプラントにしかない大きなメリットです。
誤嚥性肺炎のリスクを軽減できる
インプラントは衛生的な治療のため、誤嚥性肺炎のリスクを軽減できます。 入れ歯の不衛生が誤嚥性肺炎につながる可能性は高いため、入れ歯よりも衛生状態を保てるインプラントは老後にもおすすめといえます。
老後を見据えたインプラントを成功させるポイント

老後のインプラント治療を成功させるために、以下6つのポイントを意識してください。
- インプラントの実績が豊富な歯科医院を選ぶ
- 設備の整った歯科医院を選ぶ
- 持病がある場合はかかりつけ医に相談する
- 治療後の通院によるメンテナンスを怠らない
- 治療後のセルフケアを怠らない
- 手術後は適度に運動する
ひとつずつ解説します。
インプラントの実績が豊富な歯科医院を選ぶ
インプラント治療は、難易度の高い治療です。患者さんそれぞれで治療方法は変わりますし、それだけの実績の多い歯科医院を選ぶほうが良いでしょう。 歯科医師の経歴や、ホームページなどで症例を確認し、信頼できる歯科医院を選ぶようにしてください。
設備の整った歯科医院を選ぶ
インプラント治療を成功させるためには、口腔内の状態をより正確に把握する必要があります。そのため、歯科用CTなどの高精度な設備を備えている歯科医院を選ぶようにしてください。
持病がある場合はかかりつけ医に相談する
糖尿病や高血圧などの持病はインプラント治療においてリスクを高めます。そのため持病がある場合は、インプラント治療を開始する前に、普段から持病を診てもらっているかかりつけ医へインプラントについて相談してください。 一見、インプラント治療とは関係ないように感じる持病であっても、事前相談は必ずするようにしましょう。
治療後の通院によるメンテナンスを怠らない
インプラント治療は、通院によるメンテナンスを怠らないようにしてください。人工歯根のネジの緩みや歯茎の状態など、素人ではわからない点を確認してもらう必要があります。 また、セルフメンテナンスではケアしきれない部分も、歯科医院でのメンテナンスではケアできます。治療後も歯科医院とは長い付き合いになりますので、信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
治療後のセルフケアを怠らない
インプラントは虫歯にはなりません。しかし、セルフメンテナンスを怠るとインプラント周囲炎のリスクがあります。歯と歯の隙間や歯茎との間の汚れもきちんとかきだすようにしましょう。 セルフメンテナンスのやり方がわからない方もいるかもしれません。その場合は歯科医院にて相談すると歯ブラシのやり方やフロスの使い方など丁寧に説明してくれるのでおすすめです。
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2023/12/13
手術後は適度に運動する
インプラントの手術後は、適度に運動するようにしましょう。理由としては骨を強くするためです。散歩などで太陽の光を浴びるようにするとビタミンDが生成され、骨を構築します。 インプラント手術は日帰りでできる手術です。手術後はできる範囲で適度な運動をするようにしましょう。
老後に失った歯を補うインプラント以外の治療法
前述したように、インプラント以外にも失った歯の治療法があります。インプラントを選択する前にほかの治療方法もあわせて検討するようにしましょう。
以下で、老後に失った歯を補うインプラント以外の治療法を紹介します。
- 入れ歯
- ブリッジ
ひとつずつ見ていきましょう。
入れ歯
入れ歯は取り外しのできる人工歯です。歯を全て失った際には総入れ歯、一部の歯を失った際には部分入れ歯があります。取り外しができるため、お手入れが簡単にできる点が特徴です。また、手術をしなくてもできる治療ですので負担が軽い治療をしたい場合は良い治療といえるでしょう。 一方で、見た目は目立ちやすく、会話もしにくいというデメリットがあります。口の中に装着する装置ですので食事もしにくいでしょう。 自然歯に近い動きができるインプラントに劣る部分ですので、見た目や生活のしやすさを重視するのであればインプラントがおすすめです。
ブリッジ
ブリッジは失った歯に隣り合わせにある歯を削り土台にします。そこに人工の歯を被せる治療方法で、取り外しはできませんが自然歯に近い見た目をしています。機能面でも自然歯に近い機能をもっていますので、食事や会話もこれまで通りできる点はブリッジの大きなメリットです。 しかし、どうしても健康な歯を削り土台にしなければなりません。健康な歯をあえて削らなければならない点は大きなデメリットです。 健康な歯を傷つけたくないと考えるのであればインプラント治療がおすすめです。
まとめ
インプラント治療は老後が悲惨だといわれることがあります。しかし、それ以上にインプラントにはメリットがたくさんあることも事実です。 失った歯の治療にはブリッジや入れ歯がありますが、健康な歯を傷つけない治療方法はインプラントだけです。あえて健康な歯を傷つけたくないと考える方はインプラントを選択すると良いでしょう。
この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎
略歴
2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る
所属学会
アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会