高齢になったときにインプラントで生じうるトラブルと対策

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「インプラントに興味があるけれど、高齢になったときのトラブルが心配」という方は少なくありません。
若い頃には快適に使えていても、加齢による身体の変化や介護環境への移行に伴い、維持・管理が難しくなるケースがあるのは事実です。
そこでこの記事では、高齢になったときのインプラントとして、以下の内容を中心に解説していきます。

  • 高齢になったときにインプラントに生じうるトラブルやリスク
  • 高齢になったときまでインプラントの使用を続けるメリット
  • 高齢になったときのリスクを考えたら、インプラントは避けるべき?
  • 高齢になったときにインプラントを維持するため対策

また記事後半では、「高齢になってからインプラント治療を始める場合の注意点」も解説しています。
インプラントのリスクを正しく理解し、適切な備えをおこなうことで、生涯にわたって食事や会話を楽しむための「最良の選択」を検討しましょう。
高齢になったときのインプラント治療全般について知りたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

高齢になったときにインプラントに生じうるトラブルやリスク

高齢になると、インプラントにはさまざまなトラブルやリスクが生じやすくなります。若いころは問題なく機能していたインプラントでも、加齢による体の変化やセルフケア能力の低下、介護・医療環境の変化によって、維持が難しくなるケースが出てくるのです。
インプラントは適切に管理すれば長期間使い続けられる治療ですが、高齢期に起こりうるリスクを事前に理解しておくことが、後悔のない選択につながります。
以下では、3つの観点から詳しく解説します。

身体面・健康面の変化に伴うリスク

加齢による以下のような身体的・健康面の変化は、インプラントのトラブルに直結するリスクがあります。

  • インプラント周囲炎が進行する
  • 全身疾患により感染リスクが高まる
  • 歯ぐきや骨が退縮する

それぞれどのようなリスクがあるか、みていきましょう。

インプラント周囲炎が進行する

高齢になるとインプラント周囲炎が進行しやすくなるため、注意が必要です。
インプラント周囲炎とは、インプラント体のまわりの組織に細菌が感染して炎症が起きる病気で、歯周病に似た症状が現れます。加齢とともに免疫力が低下すると、細菌に対する抵抗力が弱くなり、インプラント周囲炎が悪化しやすくなるのです。
インプラント周囲炎は早期発見であれば対処できますが、進行するとインプラント体を支える骨が溶け、最終的にインプラントが脱落する可能性もあります。定期的な歯科受診と丁寧なセルフケアが、インプラント周囲炎を防ぐうえで欠かせません。

全身疾患により感染リスクが高まる

高齢になるにつれて糖尿病や骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などの全身疾患を抱えるケースが増え、インプラント周囲の感染リスクが高まります。とくに糖尿病は免疫機能や傷の治癒力を低下させるため、口腔内での細菌感染を起こしやすくなります。
また、骨粗鬆症の治療に使われる薬は顎の骨の代謝に影響を与えるため、インプラントの安定性に関わる場合があります。
複数の持病を持つ高齢者は、インプラントのリスクが若年者に比べて高くなる傾向があるため、定期的に全身状態を歯科医師へ報告することが重要です。

歯ぐきや骨が退縮する

加齢とともに歯ぐきや顎の骨が退縮し、インプラントの安定性に影響を及ぼすリスクがあります。
骨密度の低下によってインプラント体を支える骨の量が減ると、インプラントが緩んだりぐらついたりする原因になります。また、歯ぐきが退縮するとインプラント体の一部が露出し、見た目の問題だけでなく細菌が侵入しやすい状態になるのです。
骨の退縮は自然な加齢現象ですが、進行を遅らせるためにも適切なメンテナンスと栄養管理が大切です。骨密度の低下が心配な方は、歯科医師だけでなく内科や整形外科とも連携して管理することが望ましいでしょう。

セルフケア能力の低下によるリスク

高齢になるとセルフケア能力が低下し、以下のようなリスクが生まれます。

  • 磨き残しが増える
  • 認知症の発症によりセルフケアが困難になる
  • 誤嚥性肺炎のリスクが高まる

それぞれ解説します。

磨き残しが増える

高齢になると手指の器用さや握力が低下し、歯ブラシを正しく動かすのが難しくなるため、磨き残しが増えやすくなります。インプラントは虫歯にはなりませんが、磨き残しによってプラーク(歯垢)が蓄積すると、インプラント周囲炎の原因になるのです。
インプラントと歯ぐきの境目や、インプラント体のまわりは汚れが溜まりやすい部分です。電動歯ブラシやインターデンタルフロスを活用することで、磨き残しを減らすことが不可欠です。

認知症の発症によりセルフケアが困難になる

認知症を発症すると、歯磨きの手順が理解できなくなったり、口腔ケア自体を拒否したりするケースがあり、セルフケアが非常に困難になります。
口腔内の清潔が保たれないと、感染症のリスクが急激に高まります。また、認知症の進行によっては定期健診への通院が難しくなり、インプラントの状態を確認してもらう機会も減るでしょう。
認知症を患った方のインプラント管理は、本人だけでは対応しきれないため、家族や介護者との連携が重要です。

誤嚥性肺炎のリスクが高まる

口腔ケアが不十分になると口の中に細菌が増殖し、それが誤嚥によって肺に入り込む「誤嚥性肺炎」のリスクが高まります。
誤嚥性肺炎は、高齢者の死因として多くを占める深刻な病気です。インプラントそのものが誤嚥性肺炎の直接原因になるわけではありませんが、セルフケアが不十分でプラークが増えた口腔内は、誤嚥性肺炎を引き起こす細菌の温床になりやすいです。
とくに飲み込む力が低下した高齢者では、このリスクがさらに高くなります。

介護・医療現場での実務的なリスク

介護や医療が必要になった高齢期には、以下のようなインプラントに関わる実務的なリスクも生じます。

  • 介護者の負担が増える
  • 通院が困難になる
  • 再治療後の回復に時間がかかる
  • 経済的な負担が大きい

詳しく解説します。

介護者の負担が増える

インプラントを使用している高齢者を介護する場合、口腔ケアに通常よりも手間がかかるため、介護者の負担が増えることがあります。
天然歯や入れ歯に比べて、インプラントは構造が複雑であるため、正しいケア方法を介護者が習得する必要があります。介護者がケア方法を知らないままでいると、口腔内の清潔が保てずにトラブルが起きるリスクが高まるため、注意が必要なポイントです。
インプラントを使用している場合は、家族や介護施設のスタッフに対して、適切な口腔ケアの方法を事前に共有しておきましょう。歯科医師や歯科衛生士に介護者向けの指導をお願いすることも、一つの備えになります。

通院が困難になる

加齢や身体機能の低下により通院が困難になると、インプラントに必要な定期メンテナンスが受けられなくなるリスクがあります。
インプラントを長期間良好な状態に保つためには、定期的な歯科受診が必要です。しかし、足腰が弱くなったり、車の運転ができなくなったりすると、歯科医院への通院自体が大きなハードルになります。
訪問歯科診療に対応している医療機関もありますが、すべての処置が在宅でおこなえるわけではありません。将来通院が難しくなる可能性を考えると、インプラントを選択する際には訪問診療にも対応した歯科医院との関係を築いておくことが望ましいです。

再治療後の回復に時間がかかる

高齢になると身体の回復力が低下するため、インプラントに問題が生じて再治療が必要になった場合、若いころと比べて回復に時間がかかります。
外科手術を伴うインプラント治療は、体への負担が一定程度あります。若い時期であれば短期間で回復できる処置でも、高齢者では治癒が遅れたり、術後の合併症が起きやすくなったりする場合があるのです。また、骨密度が低い状態での再手術は、骨への固定が難しくなることもあります。
高齢期に再治療が必要になるリスクを考えると、日頃からのメンテナンスによってトラブルを未然に防ぐことがとくに重要です。

経済的な負担が大きい

インプラントは保険適用外の自由診療であるため、高齢になってトラブルが発生した場合、再治療や追加処置に伴う経済的な負担が大きくなります。
インプラント1本あたりの治療費は40〜50万円程度が一般的ですが、再埋入や骨造成が必要になればさらに費用がかかります。年金生活に入った後にこうした高額な治療費が発生すると、家計に与える影響は若い世代よりも深刻になりやすいです。
定期的なメンテナンスを継続することでトラブルを防ぐ、追加費用の発生リスクを抑えることが経済的な備えにもなります。治療を開始する前に、長期的な費用の見通しを歯科医師に確認しておきましょう。

高齢になったときまでインプラントの使用を続けるメリット

インプラントは、適切なメンテナンスを続けることで、高齢になっても多くのメリットをもたらし続けます。主なメリットは、以下の5点です。

  • 自分の歯のようにしっかり噛めて食事が楽しめる
  • 入れ歯の着脱や手入れの煩わしさから解放される
  • 若々しい見た目を保ち会話も楽しめる
  • 健康寿命を延ばせる
  • 周囲の健康な歯への負担が少ない

一点ずつ解説します。

自分の歯のようにしっかり噛めて食事が楽しめる

インプラントは人工歯根が顎の骨にしっかりと固定されているため、高齢になっても自分の歯と同じ感覚でしっかり噛めて食事を楽しめます。
入れ歯はどうしても噛む力が天然歯より弱くなりやすく、硬い食べ物が食べづらくなることがあります。一方、インプラントであれば噛む力が天然歯に近い水準を維持できるため、好きな食べ物を制限せずに味わいやすいです。
食事をしっかり楽しめることは、高齢期における栄養摂取や生活の充実感にも直結します。

入れ歯の着脱や手入れの煩わしさから解放される

インプラントは口の中に固定されているため、入れ歯のように毎日の着脱や取り外して洗う手間が一切ありません。
入れ歯は毎食後に外して洗浄したり、就寝前に外して保管したりと、日常的な手入れが欠かせません。手先が不自由になったり、手順を覚えることが難しくなってくる高齢期には、この煩わしさが大きな負担になることがあります。
一方インプラントであれば、基本的に通常の歯磨きと同じ要領でのケアが可能です。

若々しい見た目を保ち会話も楽しめる

インプラントは天然歯と見た目がほぼ変わらないため、高齢になっても自然な口元の見た目を保ちやすいです。
歯を失ったままにしておくと顔のたるみやシワが出やすくなりますが、インプラントによって顎の骨の吸収を防ぐことで、顔の輪郭の崩れを抑えられます。また、歯がしっかり固定されているため、入れ歯のようにしゃべるときにずれる心配がなく、発音もクリアに保てます。
会話を楽しんだり人前で笑ったりする際に余計な気遣いが不要になる点は、高齢期の社会生活を豊かにする大切なメリットです。

健康寿命を延ばせる

インプラントでしっかり噛める状態を維持することは、健康寿命を延ばすことにもつながります。
よく噛むことは脳への刺激になり、認知機能の維持に役立つとされています。また、しっかり咀嚼できることで食べ物が細かく砕かれ、消化器官への負担が軽くなります。
インプラントによって栄養を効率よく吸収できる状態を保てるため、体力や免疫力の維持にもプラスの影響があります。

周囲の健康な歯への負担が少ない

インプラントは失った歯の部分だけで治療が完結するため、周囲の健康な歯に余計な負担をかけません。
たとえばブリッジの場合は両隣の歯を削る必要があり、入れ歯では健康な歯にバネをかけて固定します。どちらの方法でも残っている歯に何らかの影響を与えることになるのです。
高齢になるにつれて歯の数が減りやすいなかで、残っている健康な歯を守ることはとても大切です。インプラントを選択することで残存歯への負担を最小限に抑えられ、口腔全体の健康を長く維持しやすくなります。

高齢になったときのリスクを考えたら、インプラントは避けるべき?

高齢期のリスクを考慮しても、インプラントを一概に避けるべきとは言い切れません。なぜなら、他の選択肢と比較して「健康寿命」を支える大きなメリットがあるからです。
ここでは、歯を失った際の主な治療法である「入れ歯」や「ブリッジ」と、インプラントを多角的に比較して解説します。

入れ歯やブリッジでもメンテナンスは必要

入れ歯やブリッジはインプラントより手軽な治療という印象を持つ方もいますが、どちらも定期的なメンテナンスは欠かせません。
入れ歯は毎日の洗浄に加え、歯科医院での定期調整が必要です。合わなくなった入れ歯を放置すると口腔内を傷つけたり、噛み合わせが乱れたりすることがあります。
ブリッジも歯と被せ物の間に汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるため、プロによるクリーニングが必要です。
どの治療法を選んでもメンテナンスから逃れられないことを考えると、インプラントだけが特別に管理が難しいわけではありません。

いずれの治療法も事前の対策が重要

インプラント・入れ歯・ブリッジのいずれを選ぶにしても、長く良好な状態を保つためには事前の対策と計画が重要です。
インプラントを選ぶ場合は、将来的な通院の難しさや介護が必要になったときのことも見据えて、訪問診療に対応した歯科医院を選ぶ必要があります。また、家族や介護者に口腔ケアの方法を伝えておくことも大切な準備のひとつです。
どの治療法においても、定期的な歯科受診とセルフケアの習慣を早いうちから身につけておくことがトラブルを防ぐ近道です。治療法の選択に迷った際は、リスクと将来の生活環境を踏まえて歯科医師に相談することをおすすめします。

高齢になったときにインプラントで後悔しないための対策

高齢になったときにインプラントで後悔しないためには、健康管理の徹底と信頼できる歯科医院選びの2つが柱になります。
以下では、2つの柱ごとに具体的な対策方法を詳しく解説していきます。

健康管理を徹底する

高齢になったときのインプラントトラブルを防ぐためには、日頃からの健康管理の徹底が欠かせません。主に以下の3点を意識するようにしましょう。

  • 持病をコントロールする
  • 服用薬を確認する
  • 歯科医師と主治医に連携をとってもらう

それぞれ解説します。

持病をコントロールする

インプラントを高齢期まで良好な状態に保つために、持病をしっかりコントロールしましょう。
とくに糖尿病は免疫力や傷の回復力を低下させるため、血糖値が高い状態が続くとインプラント周囲の感染リスクが高まります。また、高血圧や骨粗鬆症なども、治療中の出血や骨の状態に影響を及ぼす可能性を否定できません。
持病がある場合は、薬の服用や生活習慣の改善によって病状を安定させることが、インプラントを守る直接的な対策になります。定期的に内科などの主治医を受診し、全身の状態を管理し続けましょう。

服用薬を確認する

高齢になると複数の薬を服用するケースが増えますが、薬の種類によってはインプラント治療や維持に影響を与えることがあります。
たとえば、骨粗鬆症の治療に使われる薬は顎の骨の代謝に影響するため、インプラント治療ができない場合や、術後のトラブルにつながる可能性があります。また、血液をさらさらにする抗凝固薬は、手術中の出血をコントロールしにくくする原因です。
そのため、服用中の薬はすべて歯科医師に伝えたうえで、自己判断で服用をやめることは絶対に避けるようにしてください。

歯科医師と主治医に連携をとってもらう

インプラント治療を安全に続けるためには、担当の歯科医師と持病を診ている主治医の連携が大切です。
高齢になるほど複数の診療科にかかるケースが増え、各医師がそれぞれの専門分野だけで判断することで、薬や治療方針が相互に影響し合うリスクがあります。歯科医師が全身の状態を把握したうえで治療計画を立てられるよう、お薬手帳を持参したり、主治医に紹介状を依頼したりすると効果的です。
患者さん自身が橋渡し役になることで、より安全で適切なインプラント管理が実現します。

信頼できる歯科医院を選ぶ

高齢になったときのインプラントトラブルを防ぐために、信頼できる歯科医院を選ぶことは最も重要な対策の一つです。歯科医院を選ぶ際は、以下のポイントを参考にしてください。

  • 精密検査設備が整っているか確認する
  • 治療実績を確認する
  • 保証内容やアフターケアの体制を確認する
  • 訪問歯科をおこなっているか確認する

詳しく解説します。

精密検査設備が整っているか確認する

信頼できる歯科医院を選ぶ際は、まず精密検査に必要な設備が整っているかを確認しましょう。
インプラント治療では、術前にCT撮影をおこなって顎の骨の形状や厚み、神経の位置を正確に把握することが欠かせません。CT設備を院内に持っている歯科医院であれば、その場で迅速に詳細な検査をおこなえるため、より精度の高い治療計画を立案できます。
精密な検査が安全な治療の前提になることを念頭に置いて、設備面を事前に確認しておきましょう。

治療実績を確認する

歯科医院を選ぶ際は、インプラント治療の実績が豊富かどうかを確認することが重要です。
インプラントは外科手術を伴う高度な治療であり、歯科医師によって技術力に差があります。実績が多い歯科医師ほどさまざまな症例を経験しているため、顎の骨の状態が複雑なケースや高齢者特有の状況にも対応しやすいです。
歯科医院のWebサイトに掲載されている症例数や治療事例、資格・所属学会などを参考にするとよいでしょう。また、初診時に治療経験や症例についてためらわずに質問し、誠実に答えてくれる歯科医師かどうかも判断材料になります。

保証内容やアフターケアの体制を確認する

インプラントを長期にわたって使い続けるために、保証内容やアフターケアの体制が整っている歯科医院を選ぶようにしましょう。インプラントは高額な治療であるため、万が一トラブルが起きた際に保証が適用されるかどうかは非常に重要なポイントとなります。
保証期間や保証条件は歯科医院によって異なるため、治療前に必ず確認してください。また、治療後の定期検診の仕組みや、急なトラブル時に対応してもらえる体制が整っているかも確かめておきましょう。

訪問歯科をおこなっているか確認する

将来的に通院が困難になる可能性を考え、訪問歯科診療に対応している歯科医院を選ぶことも一つの対策といえます。高齢になると足腰の衰えや疾患によって、定期的に歯科医院へ出向くことが難しくなるケースがあるためです。
訪問歯科に対応した歯科医院であれば、自宅や介護施設でも口腔内のチェックやメンテナンスが受けられます。通院が難しくなったあとも、インプラントの管理を継続しやすくなるでしょう。

高齢になったときにインプラントを維持するため対策

高齢になったときにインプラントを維持するための予防法は、以下の5つです。

  • 毎日の丁寧なセルフケアを継続する
  • 定期的なプロフェッショナルケア(メンテナンス)を欠かさない
  • 介護が必要になった場合のケア体制を家族と相談しておく
  • 訪問診療を活用する
  • 上部構造を見直す
  • 全身の健康状態を良好に保つ
  • 異常を感じたらすぐに歯科医師に相談する

それぞれ解説します。

毎日の丁寧なセルフケアを継続する

インプラントを維持する基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。インプラントと歯茎の境目は汚れが溜まりやすいため、歯間ブラシやタフトブラシを活用した清掃が効果的です。
手が不自由になった場合でも、電動歯ブラシや持ちやすい歯ブラシを使うなど、セルフケアを継続する工夫をしましょう。

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定期的なプロフェッショナルケア(メンテナンス)を欠かさない

ご自宅でのセルフケアだけでは除去できない汚れを取り除き、異常を早期に発見するために、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。
約3カ月〜半年に1回は専門家によるクリーニングや、ネジの緩み・噛み合わせのチェックを受けるのが、インプラント周囲炎をはじめとするトラブルを防ぐのに有効な予防法です。
通院が可能な方は、定期メンテナンスをおこない、インプラントを長持ちさせましょう。

介護が必要になった場合のケア体制を家族と相談しておく

将来、ご自身での通院や歯磨きが困難になる可能性を見据え、介護が必要になった場合のケア体制を事前に家族と話し合っておくのも、インプラントを長期的に維持するうえで重要です。
ご家族や介護士の方とインプラントの清掃方法を共有したり、訪問歯科診療の情報を集めておいたりするなど、早めに準備しておくのが将来の安心につながります。

訪問診療を活用する

ご自身での通院が難しくなった場合は、歯科医師や歯科衛生士が自宅や施設へ来てくれる訪問歯科診療を活用するのが有効な手段です。専門家によるプロのクリーニングや噛み合わせのチェックを定期的に受けられるため、通院できなくてもインプラント周囲炎を予防できます。
将来に備え、付近の歯科医院で訪問歯科診療といったサービスがあるかを把握しておきましょう。

上部構造を見直す

将来、ご自身での清掃が困難になるのを見据え、あらかじめインプラントの被せ物(上部構造)を清掃しやすいシンプルな形に見直すのも予防法の1つです。たとえば、複雑な形の被せ物から、より磨きやすい一体型の構造に変更するといった対策が考えられます。
介護者の負担を減らし、清潔な状態を保ちやすくするために、元気なうちから歯科医師と相談しておきましょう。

全身の健康状態を良好に保つ

インプラント周囲炎はもちろん、糖尿病や骨粗しょう症などの全身疾患はインプラントの安定性に影響をおよぼすため、全身の健康管理もインプラントを維持するうえで重要です。かかりつけ医と連携し、持病を良好な状態にコントロールするのが、インプラント周囲の骨や歯茎の健康を保き、インプラントの維持につながります。
お口の健康は体全体の健康と密接に関わっている点を、しっかり押さえておきましょう。

異常を感じたらすぐに歯科医師に相談する

「インプラントが少しぐらつく」「歯茎から出血がある」といった些細な異常でも、自己判断で放置せず、すぐに歯科医師に相談するのが大切です。インプラント周囲炎は自覚症状なく進行する場合があるため、小さな変化がトラブルのサインである可能性があります。
早期発見・早期治療が、インプラントを維持するのに効果的な方法です。

高齢になってからインプラント治療を始める場合の注意点

高齢になってからインプラント治療を始める場合は、以下のような「高齢の方特有の注意点」を把握しておきましょう。

  • 加齢により歯周病のリスクが高まる
  • 要介護になりメンテナンスに通えなくなるリスクがある
  • 認知症になり日常のケアができなくなるリスクがある
  • インプラントの手術に耐えられる体力がない可能性がある
  • インプラントは治療費用の負担が大きい
  • 治療できない場合がある
  • インプラントと骨が結合する難易度が高い
  • 細菌感染のリスクがある
  • 顎骨の状態によっては治療できる歯科医院が限られる

インプラント治療は年齢だけで適否が決まるわけではありませんが、全身の健康状態を総合的に踏まえたうえで、経験豊富な歯科医師としっかり相談しながら治療計画を立てることが後悔しない選択への第一歩です。
老後のインプラントについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

コラム

インプラントは老後が悲惨って本当?その理由やデメリットを徹底解説

「インプラントは老後が悲惨って聞いたけど本当?」「老後にインプラント治療をしても大丈夫?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
インプラント治療は、老後が悲惨といわれる理由から老後にインプラントを成功させるためのポイントについて徹底解説しています。

まとめ

高齢期におけるインプラントには、健康面やケア能力の低下によるリスクが確かに存在します。しかし、それらを理由に一概に治療を避ける必要はありません。
大切なことは、持病のコントロールや定期的なプロフェッショナルケアを継続し、将来の通院困難や要介護状態を見据えた対応を進めておくことです。
インプラントは、正しく向き合えば健康寿命を延ばし、豊かな老後を支える強力な味方となります。まずは経験豊富な歯科医師と、ご自身の将来のライフスタイルに合わせた治療計画をじっくり相談することから始めましょう。
当院では、経験豊富な医師によってインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニック港南台へお気軽にご相談ください。 港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会