インプラントの寿命が来たらどうする?使用を続けるリスクや再手術の費用

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「最近、インプラントを入れた奥歯が少しぐらつくような気がする」ふとした瞬間に感じる違和感に、「もしかして寿命が来たのかな?」とドキッとしたことはありませんか?
「またあの大掛かりな手術を一からやり直すの?」「高額な費用がもう一度かかるんじゃ…」そんな不安が頭をよぎる方もいるのではないでしょうか。しかし、不具合が出たからといって必ずしも「すべて抜いてゼロから手術」になるわけではありません。早めに対処できた場合、部品の交換や簡単な処置だけで済むケースもあり、負担を最小限に抑えて再び快適に噛めるようになる場合もあります。
そこでこの記事では、インプラントが寿命を迎えたときに現れる具体的なサインと、その後の対処法を解説します。
再手術にかかる費用や、再埋入以外の選択肢もご紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

インプラントの寿命はどれくらいか

インプラントの寿命とは、埋め込んだ器具が骨と離れてしまったり、部品が壊れて使えなくなったりする状態を指します。天然の歯と同じように、インプラントもお口の中の環境によってその持ちの良さが大きく変わるのが特徴です。
まずはインプラントの寿命はどれくらいなのかを正しく理解しましょう。

インプラントの寿命は約10〜15年

インプラントの寿命は、一般的に10年から15年程度が目安とされています。これは多くの調査データをもとにした平均的な数値であり、世界的に信頼されている指標です。また、適切なメンテナンスを継続すると20年や30年以上も使い続けられるケースは珍しくありません。
インプラント自体はチタン製なので虫歯にはならないものの、歯茎の健康状態によって寿命が左右されます。とくにインプラント周囲炎を予防することが、長持ちさせるための最優先事項です。

前歯と奥歯の寿命の違い

前歯と奥歯を比べると、噛み合わせの負担や手入れのしやすさによって、前歯のほうが寿命は長くなる傾向にあります。
食べ物を力強くすりつぶす役割を持つ奥歯は、上下左右からの強い圧力が常にかかります。そのため、被せ物が欠けたりインプラントを支える骨に負担がかかったりしやすいです。また、お口の奥は歯ブラシが届きにくく、清掃不足によって寿命を縮める原因にもなりかねません。
一方で前歯は、奥歯と比較して強い力がかかりにくいうえに、メンテナンスもしやすいことから、長く使い続けられるケースが多いです。ただし、前歯はもともと骨が薄い部位でもあるため、加齢とともに歯茎が下がってインプラントの金属が見えてしまうのが悩みとなる場合もあります。
どちらの部位であっても、歯科医院で全体の噛み合わせを微調整してもらうことが寿命を延ばすポイントです。定期的なチェックを受けて、一部の歯に過度な負担が集中するのを防ぎましょう。

オールオン4の寿命

オールオン4の寿命も通常のインプラントと同様に、10年から15年以上が一般的です。
オールオン4は、4本のインプラントで全ての歯を支える治療法です。1本にかかる負担が計算されており、メンテナンス次第で長く持たせることが可能です。
また総入れ歯のようなガタつきがないため、顎の骨に適切な刺激が伝わりやすく、骨が痩せるのを抑制できるのが大きなメリットといえます。
ただし、被せ物となるブリッジ部分には日々の食事で摩擦が生じるため、定期的な部品交換やクリーニングをおこなうのが寿命を保つ秘訣です。
歯科医院でクリーニングを受けると、複雑な構造部分の細菌感染を防ぐことができます。

インプラント・ブリッジ・入れ歯の寿命比較

インプラント、ブリッジ、入れ歯を比較すると、寿命がもっとも長いのはインプラントです。

  • インプラントの寿命:10〜15年程度
  • ブリッジの寿命:7〜10年程度
  • 入れ歯の寿命:4〜5年程度

ブリッジは両隣の健康な歯を削って支えにする治療法です。そのため、支柱となる歯がダメージを受けて折れてしまうことが寿命の原因となるケースが多いです。
また入れ歯は、顎の骨が痩せて合わなくなるのと、金具をかける歯への負担が重なるのが課題となります。
一方でインプラントは、周囲の歯に頼らず自立しているため、お口全体の健康を守りながら長期間使用できるのが最大の特徴です。ブリッジや入れ歯より費用はかかりますが、将来的な作り直しの頻度を減らせるのが魅力といえます。

インプラントの寿命が来たらどうするべきか

では、インプラントの寿命が来たら具体的にどうするべきなのでしょうか。ここでは、インプラントの寿命が来たといえるサインや寿命のサインの見分け方や、受診した際にどのような治療方法が提案されるのかについて、具体的に解説していきます。

インプラントの寿命が来たといえるサイン

インプラントの寿命が近づいているときには、お口の中に以下のようなサインが現れます。

  • 噛んだときにインプラント周辺が痛む・違和感がある
  • インプラントがグラつく、浮いている感じがする
  • 歯ぐきが腫れる、赤くなる、膿が出る
  • 出血や口臭が強くなったと感じる
  • 被せ物やネジが欠ける・外れる・割れる
  • 噛み合わせが以前と変わったと感じる
  • 定期検診で骨が減っていると指摘された

もっともわかりやすいサインは、インプラントが指や舌で触れたときにぐらつくのと、噛んだときに違和感や痛みを感じる症状です。また、歯茎が赤く腫れたり、歯磨きのときに出血したりするのも、インプラントを支える骨が溶け始めている危険信号といえます。
これらの変化を放置すると、インプラントが自然に脱落するだけでなく、隣の健康な歯まで失うリスクが高まります。小さな違和感を見逃さないことが、大切なインプラントを守る第一歩です。

インプラントの寿命が来たら歯科医院を受診する

インプラントに寿命のサインを感じたら、すぐに信頼できる歯科医院を受診してください。
インプラントは天然の歯と違い、細菌に対する防御機能が弱いです。そのため、一度トラブルが起きると進行が非常に早くなります。
進行が進んだ場合、自宅でのセルフケアだけでは、一度入り込んだ細菌を除去するのは困難といえます。重症化を防ぐには、専門の器具を用いたクリーニングや、噛み合わせの微調整を受ける必要があるのです。
早めに対処することで、インプラントを抜かずに済んだり、簡単な修理だけで解決できたりする場合も多いです。少しでも違和感があるなら、まずはプロの目で診断してもらうのが一番の安心につながります。

すぐに受診が必要な緊急性の高い症状

激しい痛みや顔の腫れ、インプラントが明らかに揺れている場合は、緊急性の高い症状として直ちに受診が必要です。これらは重度のインプラント周囲炎や、土台となるフィクスチャーの破損が起きている可能性を示しています。そのまま放置を続けると、顎の骨が広範囲にわたって溶けてしまい、再手術ができなくなる恐れもあるため非常に危険です。
また、インプラントを支える骨の中で感染が広がると、発熱や体調不良を引き起こすケースもあります。こうした深刻な事態を防ぐためには、急患に対応している歯科医院へ相談し早めに処置を受けることが重要です。
お口の中の異変は全身の健康にも関わるため、迅速な判断をおこなうことが自分の身を守ることにつながります。

インプラントの寿命が来た場合に提示される選択肢

インプラントの寿命が来た場合は、歯科医師から主に以下3つの選択肢が提示されます。

  • 人工歯やアバットメントのみ新調する
  • インプラントがグラつく、浮いている感じがする
  • 歯ぐきが腫れる、赤くなる、膿が出る
  • 出血や口臭が強くなったと感じる
  • 被せ物やネジが欠ける・外れる・割れる
  • 噛み合わせが以前と変わったと感じる
  • 定期検診で骨が減っていると指摘された

気になる変化があれば自己判断せず受診しましょう。それぞれ解説していきます。

人工歯やアバットメントのみ新調する

インプラントの土台がしっかりと骨に固定されているなら、人工歯やアバットメントのみを新調する選択肢が選べます。手術を伴わないため、体への負担が少なく、費用もインプラント全体をやり直すより安く抑えられるのがメリットです。
また、被せ物を外した際に、普段の手入れでは届かない土台部分を徹底的に洗浄できるのも大きな利点です。この処置によって、インプラント全体の寿命をさらに延ばす効果が期待できるでしょう。

インプラント体を再埋入する

インプラントが抜けてしまった場合でも、顎の骨の厚みが十分にあれば再度インプラントを埋め込むことが可能です。この再手術では、まずトラブルの原因となった細菌感染を完全に取り除き、土台を支える骨の状態を整えるのが最初のステップとなります。
再度の埋め込みをおこなうには、お口の中を清潔に保つことと骨の回復を待つことが絶対の条件であり、骨を増やす追加の治療が必要になる例も少なくありません。治療にかかる期間や費用が増えやすいため、再治療の目的やリスクを事前にしっかり確認しましょう。

【再手術が難しい場合】入れ歯やブリッジなどに変更する

顎の骨が大きく失われて再手術が難しい場合は、入れ歯やブリッジなど別の治療法へ変更する選択肢があります。無理にインプラントを繰り返すよりも、お口全体のバランスを考えて安全な方法を選ぶのが賢明な判断となるケースに適用されやすいです。
両隣の歯を支えにするブリッジであれば、取り外しの手間がなく、自分の歯に近い感覚で食事が楽しめます。また、最新の入れ歯はバネが見えにくいタイプもあり、見た目や装着感の向上が図られているのが特徴です。
インプラント以外の治療を選ぶのと、手術の負担を避けながら、お口の機能を維持できるのがメリットといえます。歯科医師と相談し、現在の口内環境やライフスタイルに合った治療法を選びましょう。

寿命がきたインプラントを使い続けるリスク

寿命がきたインプラントを使い続けると以下のようなリスクがあります。

  • インプラントを支える顎の骨が溶けてなくなる
  • 隣り合う天然歯に負担がかかる
  • インプラント周囲炎が悪化する
  • 顎関節症や顔の歪みの原因になる
  • 骨が痩せてインプラント再手術が困難になる
  • 固定が緩んだインプラントを誤って飲み込んでしまう

1つずつ見ていきましょう。

インプラントを支える顎の骨が溶けてなくなる

インプラントに不具合がある状態で使い続けると、支えとなっている顎の骨が徐々に吸収されてなくなるリスクがあります。これは、インプラント周囲炎という感染症が進行したり、噛み合わせのバランスが崩れて過度な力が骨にかかったりするのが主な原因です。
骨が溶けてしまうと、インプラントがグラグラになり最終的には抜け落ちてしまいます。一度失った骨をもとに戻すのは困難なため、違和感がある際は早めに対処するのが重要です。

隣り合う天然歯に負担がかかる

寿命がきたインプラントを放置すると、本来インプラントが負担すべき噛む力を、隣り合う健康な天然歯が背負うことになります。特定の歯に過度な力がかかり続けると、その歯が割れたりヒビが入ったりして、寿命を縮める原因になりかねません。
また、インプラント部分を使わずに噛もうとするため、噛み合わせ全体のバランスが崩れ、ドミノ倒しのように周囲の歯までダメになるリスクも高まります。

インプラント周囲炎が悪化する

インプラントの寿命や不具合を放置していると、インプラントと歯茎の隙間に汚れがたまりやすくなり、インプラント周囲炎が悪化するリスクがあり危険です。
インプラント周囲炎は天然歯の歯周病にあたる病気で、進行すると歯茎から膿が出たり、激しい痛みや腫れを伴ったりします。炎症が骨まで達すると、インプラントを支える骨が破壊され、グラグラと動揺するようになります。最悪の場合、インプラントが抜け落ちるだけでなく、細菌が血管を通じて全身に悪影響をおよぼすリスクもあるため、早めの対処が重要です。

顎関節症や顔の歪みの原因になる

インプラントが噛み合わなくなった状態で食事を続けると、顎の関節に負担がかかり、顎関節症や顔の歪みを引き起こす原因になります。無意識のうちにインプラントを避けて片側の歯だけで噛むのが癖になると、顔の筋肉のバランスが左右で崩れてしまうのが顔の歪みや顎関節症を引き起こす原因です。
口を開けると顎が痛い、音が鳴る、頭痛や肩こりがひどくなるといった症状が現れた場合は、噛み合わせのズレが原因である場合もあります。

骨が痩せてインプラント再手術が困難になる

インプラントの不具合を放置して顎の骨が痩せると、いざインプラントをやり直そうとしたときに、再手術が困難になる場合があります。 新しいインプラントを埋め込むためには、土台となる十分な骨の量と厚みが必要です。骨が極端に減ってしまった場合は、骨を造成する大掛かりな手術が必要になったり、最悪の場合はインプラント治療自体を断念せざるを得なくなったりする場合もあります。

固定が緩んだインプラントを誤って飲み込んでしまう

固定が緩んでグラグラしているインプラントや部品を放置すると、食事中や睡眠中に外れて、誤って飲み込んでしまい、事故につながる恐れがあります。
万が一飲み込んでしまった場合、飲み込んだ部品が食道を傷つけたり、気管に入って誤嚥性肺炎や呼吸困難を引き起こしたりするリスクもあり大変危険です。
部品が外れてしまった場合は、無理に戻そうとせず、すぐに歯科医院を受診して適切な処置を受けてください。

インプラントの寿命が来た際の費用と保証

インプラントの寿命が来たら、保証の有無と再治療費の目安を先に押さえるのが重要です。保証が使えれば自己負担を減らせますが、定期メンテナンスの受診が条件になる例もあります。
再治療の場合「部品交換で済むか」「撤去と再埋入まで必要か」で金額が大きく変わるため、見積もりは内訳まで確認しましょう。医療費控除の対象になる場合もあるため、領収書の保管も必須です。
では、インプラントの寿命が来て再治療が必要になった場合の費用と保証についてみていきましょう。

歯科医院やメーカーの保証制度が使えるか確認する

インプラントの寿命が来た際は、まず費用負担を抑えるために歯科医院やメーカーの保証制度が使えるかを確認してください。インプラントの再手術は、原則として自由診療となり、1本につき30万円から50万円ほどの高額な費用が必要になります。
しかし、多くの医院では5年から10年の長期保証を設けており、一定の条件を満たせば無償や割引価格で再治療を受けられる場合があります。定期的なメンテナンスを継続していることが保証適用の条件となるケースが多いです。
まずは手元にある保証書の内容を詳しくチェックし、自身の保証内容をよく確認してください。

インプラントの寿命が来た際の再手術費用

インプラントの寿命が来て再手術をおこなう場合、基本的には初回の手術と同程度、あるいはそれ以上の費用がかかる場合があります。費用の目安は1本あたり30万円~50万円程度ですが、インプラントメーカーの保証期間内である場合、無料や減額価格で再治療を受けられるケースがあります。
ただし、保証を受けるには定期検診を受けているといった条件が必要です。
また、古いインプラントを取り除く撤去費用や、溶けてしまった骨を再生させる骨造成費用が別途必要になる場合も多いため、総額は歯科医院でしっかり確認しましょう。

インプラントの再手術に健康保険は適用される?

インプラントの再手術には、原則として健康保険は適用されず、全額自己負担の自由診療となります。なぜなら、インプラントは、入れ歯やブリッジといった保険治療の代替手段とみなされるためです。
ただし、事故や病気で広範囲に顎の骨を失った場合、国が定めた極めて特殊な条件下で、特定の施設でおこなう場合に限り保険が使えるケースも存在します。しかし、一般的な寿命やインプラント周囲炎による再手術では、保険は使えないのが一般的です。

インプラントの再手術で医療費控除は利用できる?

インプラントの再手術にかかった費用は、医療費控除の対象として申請を利用できます。これは、失った噛む機能を回復するための治療と認められるためです。
医療費控除では、1月1日から12月31日までの1年間に、自分や家族のために支払った医療費の合計が10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えた場合、確定申告をおこなうと税金の一部が戻ってきます。
再手術費用だけでなく、撤去費用や通院のための交通費も対象になるため、領収書は捨てずに保管しておきましょう。

インプラントの寿命を縮める原因

インプラントの寿命を縮める原因は、以下の6つです。

  • インプラント周囲炎を発症している
  • 毎日のセルフケアや定期メンテナンスが不足している
  • 喫煙習慣がある
  • 歯ぎしり・食いしばりの癖がある
  • 糖尿病や骨粗しょう症の全身疾患を患っている
  • 歯科医師の技術不足やインプラントメーカーの品質が悪い

1つずつご紹介します。

インプラント周囲炎を発症している

インプラントの寿命を縮める原因の1つは、インプラント周囲炎という感染症です。インプラント周囲炎は、歯磨きが不十分でたまった歯垢に含まれる細菌が、歯茎や骨に炎症を起こす病気になります。
インプラントをおこなった箇所は、天然の歯よりも細菌への抵抗力が弱いため、一度感染すると進行が早いのが特徴です。重症化するとインプラントを支える骨が溶けてしまい、最終的にはグラグラして抜け落ちてしまいます。

毎日のセルフケアや定期メンテナンスが不足している

毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期メンテナンスが不足していると、インプラントの寿命を縮めてしまう恐れがあります。自分でおこなうケアだけでは、どうしても落としきれない汚れがあるため、汚れを放置した結果、細菌が繁殖してインプラント周囲炎を引き起こす場合もあります。
インプラントの寿命を縮めないためにも、数カ月に一度はプロによるクリーニングを受け、ネジの緩みや噛み合わせのチェックをおこないましょう。

喫煙習慣がある

たばこを吸う習慣がある人は、吸わない人に比べてインプラントの寿命が短くなりやすい傾向にあります。たばこに含まれるニコチンが血管を縮め、歯茎の血流を悪くするのがインプラントの寿命を縮める原因です。
血流が悪くなると、酸素や栄養が届きにくくなり、免疫力が下がって細菌感染を起こしやすくなります。インプラントを長期にわたって使用するためにも禁煙を心がけましょう。

歯ぎしり・食いしばりの癖がある

無意識のうちにおこなう歯ぎしりや食いしばりは、インプラントに過度な負担をかけ、寿命を縮める原因の1つです。インプラントには天然の歯にある歯根膜というクッションがないため、噛む力がダイレクトに骨に伝わります。そのため、インプラントに強い力がかかり続けると、被せ物が欠けるだけでなく、支えている骨が吸収されて痩せるリスクがあります。
インプラントの寿命を縮ませないためにも、就寝中にマウスピースをつけて、力を分散させる対策が必要です。

糖尿病や骨粗しょう症の全身疾患を患っている

糖尿病や骨粗しょう症といった全身の病気も、インプラントの寿命に悪影響をおよぼすリスクがあります。
糖尿病で高血糖の状態が続くと、免疫力が低下して傷が治りにくくなり、インプラント周囲炎のリスクを高めます。また、骨粗しょう症は骨の強度が低下するため、インプラントを支える力が弱くなる恐れがあるのです。
持病がある場合は、内科の医師と連携し、数値をしっかりコントロールして治療を進めることが大切です。

コラム

糖尿病でもインプラント治療はできる?治療を受けるリスクを解説

インプラント治療は、糖尿病の方でも医師と共にしっかり管理されている場合は可能です。しかし、口腔内や身体の健康状態によって治療を断られる場合もあります。本記事では、インプラント治療は糖尿病でもできるのかについて、治療をおこなうリスクを解説します。

歯科医師の技術不足やインプラントメーカーの品質が悪い

治療をおこなう歯科医師の技術力や、使用するインプラントの品質もインプラントの寿命を左右する重要な要因です。
正確な位置や角度に埋め込まれていなかったり、噛み合わせの調整が不十分だったりすると、特定の場所に無理な力がかかりトラブルの原因になります。また、安価なメーカーの製品は、部品が破損しやすいケースもあります。
インプラントを安心して長く使うために、治療実績が豊富で信頼できる歯科医院とインプラントメーカーを選ぶようにしましょう。

インプラントの寿命を延ばすためのポイント7選

インプラントの寿命を延ばすためのポイントは、以下7つです。

  • 信頼できる歯科医院を選ぶ
  • 毎日の丁寧なセルフケアを徹底する
  • 歯科医院での定期メンテナンスを受ける
  • 歯ぎしり・食いしばりの対策をおこなう
  • 禁煙する
  • 全身疾患を適切に管理する
  • 信頼性の高いインプラントメーカーを選ぶ

それぞれ見ていきましょう。

信頼できる歯科医院を選ぶ

インプラントの寿命を延ばす第一歩は、技術力が高く信頼のおける歯科医院を選ぶことにあります。
インプラントは高度な外科手術を伴うため、歯科医師の経験や知識の量によって、仕上がりの精度やその後の持ちに大きな差が出る治療法です。Webサイトで過去の症例数を確認したり、無料カウンセリングを受け、説明が丁寧かを確認したりしましょう。
メリットだけでなく、デメリットやリスクまで誠実に話してくれる医師であれば、治療後も安心して長く通い続けることができます。

毎日の丁寧なセルフケアを徹底する

毎日の丁寧なセルフケアを徹底するのが、インプラントを長持ちさせるポイントです。
インプラントは天然の歯よりも細菌への抵抗力が弱く、汚れがたまると歯茎が炎症を起こしやすくなります。そのため、毎食後の歯磨きはもちろん、歯ブラシが届きにくい隙間にはデンタルフロスや歯間ブラシを使うのが効果的です。
とくに就寝前は時間をかけて丁寧におこない、口腔内の細菌を減らしてから眠るように心がけてください。

歯科医院での定期メンテナンスを受ける

インプラントを長期にわたって維持するためにも、3カ月から半年に1回程度、歯科医院での定期メンテナンスを受けてください。
自分でおこなう歯磨きだけでは、どうしても落としきれない汚れや歯石が残ってしまいます。歯科医院では専用の器具を使って徹底的にクリーニングをおこない、口腔内を清潔な状態にリセットします。
また、ネジの緩みや噛み合わせのズレなど、自分では気づけないトラブルを早期に発見し、重症化する前に対処できるのも定期メンテナンスを受けるメリットです。

歯ぎしり・食いしばりの対策をおこなう

歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、マウスピースで対策をおこなう必要があります。
インプラントは縦方向の力には強いですが、歯ぎしりのような横揺れの強い力が加わると、部品が壊れたり支えている骨が減ったりする原因になります。
就寝中に装着するナイトガードを歯科医院で作製し、過度な負担から歯を守るのがインプラントを長持ちさせる有効な手段です。無意識のうちに力を入れてしまう癖は自分では直しにくいため、歯科医師に相談して対策をしましょう。

禁煙する

インプラントの寿命を縮めないためには、禁煙をおこなってください。
たばこに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯茎の血流を悪くするため、細菌と戦う免疫力を低下させてしまいます。その結果、インプラント周囲炎にかかるリスクが非喫煙者に比べて高い傾向にあります。
せっかく治療したインプラントを失わないためにも、また全身の健康のためにも、たばこの本数を減らすか、きっぱりとやめる決断が大切です。

全身疾患を適切に管理する

糖尿病や骨粗しょう症の全身疾患がある場合は、内科とも連携して数値を適切に管理するのが重要です。
とくに高血糖の状態が続くと、体の免疫力が落ちて傷の治りが遅くなったり、細菌感染を起こしやすくなったりします。これが原因でインプラントを支える骨が弱くなり、抜け落ちてしまうリスクが高まります。
また、骨粗鬆症の薬を飲んでいる場合も注意が必要なため、持病がある方は必ず歯科医師に伝え、良好な健康状態を維持しましょう。

信頼性の高いインプラントメーカーを選ぶ

インプラント治療を受ける際は、世界的にシェアが高く信頼性の高い以下のようなインプラントメーカーを選ぶのが安心です。

  • ストローマン
  • ノーベルバイオケア
  • アストラテックジンマー(ジマー)
  • 京セラ
  • オステム

インプラントは長い期間使い続けるものですが、将来的に部品の交換や修理が必要になる可能性があります。その際、実績のある大手メーカーの製品の場合、何年経っても交換部品が手に入りやすく、適切な対応が可能です。
逆にマイナーなメーカーだと、会社がなくなって部品が入手できず、修理ができなくなるリスクがあります。
インプラントを長期にわたって安心して使用するためにも、歯科医院が使用しているインプラントを歯科医院のWebサイトやカウンセリングで確認してみましょう。

まとめ

インプラントの寿命が来たら、まずは歯科医院で精密検査を受け、状態に応じて以下の対応が必要です。

  • インプラントの再手術
  • 上部構造の交換
  • 入れ歯やブリッジへの変更

インプラントの寿命やトラブルのサインであるぐらつきや痛みが出た場合、早めに対処すればネジの締め直しや部品交換だけで済むケースもあり、費用や身体的負担を抑えられます。
日頃のケアと定期検診を大切にし、信頼できる医師と一緒にお口の健康を守っていきましょう。
当院では、経験豊富な医師によってインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニック港南台へお気軽にご相談ください。港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会