インプラントをやらなきゃよかったと後悔する理由と対策5選

インプラントをやらなきゃよかったと後悔する理由と対策5選
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失った歯の治療方法としてインプラント治療があります。近年では、インプラント治療への注目も高まり、治療方法の一つとして選択する方も増えてきました。

「インプラント治療に興味はあるけれど、リスクはないのか」
「インプラント治療をしてからやらなきゃよかったと後悔した人はいないのか」

なかなか、失敗談を探しても見つからず、不安を消しきれない方も多いでしょう。
そこでこの記事ではインプラントをやらなきゃよかったと後悔した事例とその対策についてご紹介します。
実際に治療を受けたあと、どんなことで後悔するのかわかれば治療方法の一つとして選択するかどうか決めやすくなります。インプラント治療をするかどうか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

インプラントをやらなきゃよかったと後悔した事例5選

インプラントをやらなきゃよかったと後悔した事例を9選ご紹介します。

  • インプラントが固定されなかった
  • 神経を損傷した
  • 痛みや腫れが続いた
  • インプラント周囲炎になった
  • 思っていたより費用がかかった
  • 上顎洞炎になった
  • 手術前後で見た目が変わってしまった
  • ほかの歯科医院にかかりづらくなった
  • 被せ物が破損した

後悔した内容は、インプラント治療を選択するうえでの懸念点ともリンクします。治療面や費用面、さまざまな点が後悔ポイントとしてあげられていますので参考にしてください。

インプラントが固定されなかった

インプラント治療ではインプラント体と呼ばれる人工歯根を顎の骨に埋め込みます。このインプラント体がしっかりと固定されていないと、被せ物をした際にぐらついたり、抜けてしまったりする恐れがあります。
インプラント体は正確な角度と深さで埋め込む必要があり、事前に精密検査をし、この角度や深さを決めてから計画を立てるほど重要な工程です。精密検査がきちんとされていなかったり、治療計画がきちんと立てられていない場合にこのようなトラブルが発生します。
また、インプラント体を埋め込む際には顎の骨にドリルで穴を開けます。このときにドリルの調子が悪いと骨の細胞を殺してしまい、インプラント体ときちんとくっつかないことがあります。これをオーバーヒートといい、インプラント手術での失敗です。
このようなインプラント治療の失敗が起きてしまうと、ぐらついたり抜けたりと治療のやり直しになってしまうため後悔する方が多くいます。

神経を損傷した

インプラント体を埋め込むために顎の骨に穴を開ける工程の際、神経を損傷するリスクがあります。穴を開ける顎の骨の近くには神経や血管が多く通っているためです。
このトラブルは、歯科医師のミスによって起こります。インプラント治療の経験が少ない医師の場合、過って傷つけてしまう可能性があります。神経を損傷すると舌が痺れるなどの後遺症が発生しますし、血管の損傷であれば大量出血も考えられるミスです。
手術中のトラブルとしては絶対に避けたい事例ですが、この事例により後悔している方もいます。

痛みや腫れが続いた

インプラント治療のトラブルは手術中のみ気をつければ良いわけではありません。治療後に痛みや腫れが続くなどのトラブル事例もあります。
一般的には治療後の痛みは2〜3日で収まると言われています。しかし、2週間以上痛みが続いている場合は、手術部分で細菌感染している可能性があり、抗生物質の服用など対応が必要です。
細菌感染の原因としては手術後の衛生管理や、喫煙、飲酒などです。先ほど解説した神経の損傷なども考えられるため、痛みや腫れが長く続いている場合はすぐに相談してください。

インプラント周囲炎になった

インプラント治療後の注意点として、インプラント周囲炎があげられます。インプラント周囲炎は歯周病に似ている病気で、インプラント体の周りが細菌に感染し発症します。早期発見し治療をすれば問題ないですが、最悪の場合インプラントが抜けてしまう可能性がある病気です。
インプラント周囲炎の原因の多くは、メンテナンス不足です。インプラントは虫歯にならないからと普段のお手入れや歯科医院でのメンテナンスを怠ると発症する可能性があります。
インプラント周囲炎は、インプラント治療を受けた方であれば誰でもなりうる病気です。日頃のメンテナンスを面倒だと感じる方であれば、インプラント治療をおすすめできません。

思っていたより費用がかかった

インプラント治療は自由診療です。そのため、一般的な虫歯の治療とは異なり、まとまったお金が必要になります。インプラントは高いと想定していたけれど、予想以上に費用が高かったと後悔する方は少なくありません。
自由診療は歯科医院で料金設定が異なります。使用するインプラントメーカーやその後の保証などで費用はピンキリです。また、顎の骨が少なく、骨造成の治療をしたために追加で費用がかかってしまったなんて方もいます。
きちんとした歯科医院であれば治療前に費用について説明をしてくれます。不安であれば事前に相談すると良いでしょう。

上顎洞炎になった

上の奥歯のインプラント手術の際に、インプラント体が、鼻の空洞である「上顎洞(じょうがくどう)」を突き抜け、細菌感染を起こしてしまうケースがあります。
上の奥歯は、上顎洞までの骨が非常に薄いことが多く、とくに難易度の高い手術部位です。ここにインプラント体が迷入すると、慢性的な副鼻腔炎(蓄膿症)と同じような症状を引き起こします。この場合、インプラントの除去だけでなく、耳鼻咽喉科での治療も必要になることがあります。

手術前後で見た目が変わってしまった

高額な治療費をかけたにもかかわらず、最終的な仕上がりの「見た目」が思っていたものと違い、後悔するケースもあります。
たとえば、「被せ物の歯の色が隣の天然歯と合っておらず、作り物のように浮いて見える」「歯茎が痩せてしまい、インプラントの金属部分が黒く透けて見える」「人工歯の角度が悪く出歯に見える」といった事例です。
とくに前歯の場合は、見た目の審美性が非常に重要となります。仕上がりのイメージをより具体的なものにするべく、歯科医師との相談は欠かさずおこなってください。

ほかの歯科医院にかかりづらくなった

インプラント治療は、治療をおこなった歯科医院で、生涯にわたって定期的なメンテナンスを受け続けることが前提となります。そのため、もし引越しなどでほかの歯科医院にかかろうとしても、使用しているインプラントメーカーが特殊であったり、治療の経緯が分からなかったりすると、メンテナンスや修理を断られてしまうケースがあるのです。
「かかりつけ医」として、長く通い続けられる歯科医院かどうかを見極めることも、後悔しないためのポイントです。

被せ物が破損した

インプラント体のうえににかぶせる人工歯(被せ物)に強い力がかかると、割れたり、欠けたりすることがあります。とくに、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、セラミックなどの硬い素材でも破損するリスクが高まるのです。
被せ物の修理や作り直しには、当然追加の費用がかかります。そのため、噛み合わせの調整や歯ぎしり防止用のマウスピースの作製といった治療後の適切な対策が不可欠です。

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「治療をやらなきゃよかった」と後悔するインプラント特有のリスク

インプラント治療は外科手術である以上、特有のリスクが存在します。それは以下の4つです。

  • インプラント周囲炎
  • 外科的な合併症(神経麻痺や上顎洞炎)
  • 金属アレルギー
  • インプラント体と骨の結合不良

詳しく解説します。

インプラント周囲炎

インプラント治療後の後悔として最も多いのが、「インプラント周囲炎」です。これは、インプラントの周りが歯周病菌に感染し、歯茎が腫れたり支えている顎の骨が溶けたりする病気です。
天然の歯と違い、インプラントには神経がありません、そのため自覚症状が出にくく、気づいたときには深刻な状態まで進行しているケースが少なくありません。
日頃のセルフケアや定期的なメンテナンスを怠ると発症しやすく、最悪の場合、せっかく入れたインプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。

外科的な合併症(神経麻痺や上顎洞炎)

インプラント体を埋め込む手術の際に、顎の骨の近くにある重要な組織を損傷してしまうリスクも、後悔につながる事例の一つです。とくに下の奥歯近くを通る太い神経を傷つけてしまうと、唇や顎の感覚が麻痺する後遺症が残る可能性があります。
また上の奥歯では、鼻の空洞である「上顎洞」を突き抜け、細菌感染を起こし、慢性的な副鼻腔炎(上顎洞炎)の原因となるケースも考えられます。
これらのリスクを避けるためには、事前の精密なCT検査と経験豊富な医師による手術が不可欠です。

金属アレルギー

インプラントの材料であるチタンは、金属アレルギーを非常に起こしにくい生体親和性の高い金属ですが、ごく稀に、チタンに対してアレルギー反応を示す方がいます。またチタンそのものではなく、インプラント体に使われる微量な他の金属成分や、被せ物に使われる金属に対して、アレルギーを発症する可能性もゼロではありません。
インプラントの手術後に、原因不明の体調不良やお口の中の炎症が続く場合は、金属アレルギーを疑う必要が出てきます。

インプラント体と骨の結合不良

インプラント治療は、埋め込んだ人工歯根(インプラント体)と顎の骨が、顕微鏡レベルで強固に結合すること(オッセオインテグレーション)を前提としています。しかし、患者様の骨の質が非常に悪かったり、糖尿病などの全身疾患があったり、あるいは喫煙習慣があったりすると、この結合がうまくいかないことがあるのです。
また、手術時のドリルによるオーバーヒートといった技術的なミスが原因で、骨と結合しないケースもあります。
インプラントが固定されなければ、当然治療は失敗となり、やり直しになってしまいます。

インプラントで後悔しないための対策

ここまでご紹介した後悔事例ばかりみていると、インプラント治療を選択しない方が良いのではと考える方もいるでしょう。しかし、事前に対策することで失敗を防止することはもちろん可能です。
そこで、5つの対策方法を解説していきます。

  • 実績豊富な歯科医師を選ぶ
  • 手術前にしっかりと検査を受ける
  • インプラント治療のリスクを理解する
  • 定期的にメンテナンスを受ける
  • セカンドオピニオンを検討する

インプラント治療を視野に入れている方は、治療前の心構えとして参考にしてください。

実績豊富な歯科医師を選ぶ

インプラント治療はすべての歯科医師が同じレベルでできる治療ではありません。経験豊富な歯科医師もいれば、ほとんど治療をしたことがない歯科医師もいます。手術中の失敗などを恐れるのであればインプラント治療の実績が豊富な歯科医師を選びましょう。
また、実績が豊富だからといって安心できるわけではありません。治療におけるリスクや費用、治療計画など納得するまで説明してくれるかも大切です。親身に話を聞いてくれるか、自分との相性が良い歯科医師を選ぶようにしましょう。
インプラント治療は治療が終わった後でも長く付き合いが発生するので、自分と相性が良い歯科医師かどうかが重要です。

手術前にしっかりと検査を受ける

インプラント治療はすべて同じと考える方もいるでしょう。しかし、受ける人それぞれ治療計画は異なります。同じ口腔内を持つ方はいませんので、自分に合った治療方法で進める必要があります。
そのため、必要なのは事前の検査はしっかりと受けてください。問診はもちろん、CT撮影なども口腔内の状況を把握するのに必要な検査です。どれだけ口腔内の状況を把握し、それに合わせた治療計画を立てられるかが重要といえます。
綿密な治療計画はトラブル回避の近道となります。

インプラント治療のリスクを理解する

インプラントに限らず、どんな治療であってもリスクは一定数存在します。その中でもインプラントは外科手術を伴う治療ですので、リスクについてきちんと理解している必要があるでしょう。
歯科医院の中にはインプラント治療におけるリスクまで説明をしてくれない医院もあります。リスクやデメリットといったマイナスな点も踏まえてきちんと説明してくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。
また、自分でインプラント治療について調べるのも重要です。インプラントのトラブルの中には、原因が自分にあるケースも存在します。自分の身を守る意味でも、インプラント治療のリスクは事前に理解しておきましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

インプラントは治療が終わったら終わりではありません。インプラントを長持ちさせるためには定期的なメンテナンスが必須です。
特に、毎日のブラッシングやフロスなどのセルフメンテナンスはインプラントの寿命に直結します。高額な治療をしてもメンテナンスで手を抜いてしまうと意味がありません。
また、歯科医院でのメンテナンスも大切です。インプラントがゆるんでいないか、インプラント周囲炎になっていないか、噛み合わせなども総合的に診察してもらいましょう。トラブルが起きても早期発見であればすぐに対応できます。
セルフメンテナンスと歯科医院でのメンテナンス、双方をきちんとおこなっていればトラブル防止にも、早期解決にもつながります。

セカンドオピニオンを検討する

もし、治療計画や費用、あるいは医師の説明に少しでも疑問や不安を感じた場合は、別の歯科医院で「セカンドオピニオン」を受けることをためらってはいけません。
インプラントは高額で、やり直しが難しい治療です。複数の専門家の意見を聞くことで、提示された治療法が本当に最適なのか、もっと良い選択肢はないのかを、客観的に判断できます。
ご自身が心から納得して治療を受けることが、後悔しないための最後の砦となります。

まとめ

インプラントをやらなきゃよかったと後悔した事例についてご紹介しました。治療後の後悔は歯科医院のミスはもちろん、自分の理解不足やメンテナンス不足も関係しています。治療後に後悔しないためにも事前に治療への理解を深めておくと良いでしょう。
インプラントは失った歯の治療として満足度の高い治療でもあります。治療後に後悔しないよう、歯科医院選びから治療後のメンテナンスまで正しい知識をもって行動しましょう。
当院ではインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会