インプラント治療後に起こりうる後遺症とは?医院選びのポイントを紹介

インプラント治療後に起こりうる後遺症とは?医院選びのポイントを紹介
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歯を失ったときに選択できる治療の一つが、インプラント治療です。インプラント治療をおこなうと自分の歯と同じように咀嚼できますし、見た目もきれいに仕上げられます。
しかし、インプラント治療をした後は後遺症が起こるリスクがあるのも事実です。後遺症について何も知らないままインプラント治療を進めるのはリスクが伴います。
そこでこの記事では、「インプラント治療で起こりうる後遺症」について詳しく解説します。また、できるだけ後遺症が起こらないようにしたい方のためにインプラント治療を受ける際の歯科医院選びのポイントについてもご紹介します。
後遺症だけを心配してインプラント治療をしないと選択するのではなく、納得のできる選択ができるよう知識を身につけましょう。

 

インプラント治療で起こりうる後遺症

インプラント治療後に起こりうる後遺症は五つあります。

  • 血管の損傷による出血
  • 神経損傷によるしびれ
  • インプラントのぐらつき・脱落
  • 副鼻腔炎
  • 頭痛・肩こり

すべてが必ず起きるわけではなく、発生する可能性があるという点は理解したうえで、それぞれの内容をまずは知っていきましょう。

血管の損傷による出血

インプラント治療では、顎の骨に穴を開けてそこにインプラント体と呼ばれる人工歯根を埋め込みます。このときに下顎に通っている動脈を傷つけてしまう可能性があります。下顎には舌下動脈や舌歯槽動脈が通っているため、傷がつくと大量に出血する可能性は否定できません。
これはインプラント治療後の後遺症ではなく、インプラント体を埋め込む手術中に起こる症状です。治療前の精密な検査によって血管の位置をきちんと把握して治療を受けられれば、動脈を傷つけるリスクは格段に減ります。
歯科用CTで顎の骨を撮影すれば血管の位置を把握できますので、そのような設備がある歯科医院を選ぶと良いです。

神経損傷によるしびれ

顎の骨には血管以外にも神経が通っているため、治療によってそれらの神経を傷つける恐れがあります。神経が傷つくと、口の周りに麻痺が生じたり痺れを感じたりといった後遺症が現れます。
神経損傷による痺れは一時的なものから継続するものもあり、ひどい場合は顔面麻痺として残る可能性があります。
治療中だけでなく、インプラント体の埋め込み角度が原因で神経に損傷が起きる場合も。そのため、治療を終えてからしばらくしてから症状が現れる可能性があります。
インプラント治療における下歯槽神経麻痺が発生する確率はは0.13~8.5%といわれています(一時的な麻痺も含む)。

インプラントのぐらつき・脱落

インプラント体に使用されているチタンは人体との親和性が高い素材です。そのため、埋め込んでから時間が経過すると埋め込んだ周辺の組織と少しずつ結合していきます。しかし、この結合がうまく進まないとインプラントがぐらついたり、抜け落ちてしまいます。
結合が上手く進まない原因は以下の通りです。

  • 喫煙によって歯茎の血流が悪くなっている
  • インプラント体の埋め込む角度が適していない
  • 歯茎が細菌に感染している

ぐらつきを予防するためにも、定期的なメンテナンスが必要です。また、喫煙している方はインプラント治療を決めた段階から禁煙するのがベストです。

副鼻腔炎

副鼻腔炎は、鼻の周りにある鼻腔と呼ばれる空洞で炎症が起きる病気です。具体的な症状としては鼻づまりや頭痛、発熱です。症状が進行すると歯の痛みや歯茎の痛み、頬に痛みを感じるケースもあります。インプラント体を埋め込む際に副鼻腔内に突き出てしまうことが主な原因です。
上顎の骨は薄くなっており、副鼻腔の位置を把握しないまま治療を進めると発症する恐れがあります。事前に精密検査を受けてから、治療の計画を立てるようにしましょう。

頭痛・肩こり

頭痛や肩こりも、インプラント治療後に起きる後遺症の一つです。インプラントそのものが原因ではなく、お口全体の噛み合わせが原因で起きます。
インプラント治療をする際には、治療を受ける方それぞれの骨格に合わせた噛み合わせの調整をおこないます。しかし、インプラントがぐらついていたり、きちんと調整されないまま治療を終えてしまうと噛み合わせが悪化します。症状がさらに深刻になると顎関節症などの病気を引き起こし、頭痛や肩こりなどの症状が発生するという流れです。
噛み合わせが原因のため、噛み合わせを調整すれば症状は改善されます。しかし、インプラントが埋め込まれている位置が適正でない場合は、埋め込みを修正する再手術が必要になります。

インプラント治療で後遺症が残ったらどうするべき?

インプラント治療後に後遺症が残った場合は、すぐに治療を受けた歯科医院に相談してください。治療により改善するケースも多いですし、治療のやり直しも可能です。
インプラント治療には保証がついている場合がほとんどですので、保証期間内に治療を受けるのが最適です。インプラントの保証期間は、歯科医院や使用したインプラントによって異なるため、事前に期間を確認しておく必要があります。
また、治療を受けた歯科医院以外で話を聞きたい場合は、他の歯科医院でのセカンドオピニオンも可能です。通院している歯科医院では疑問が解決できないと判断した場合は、第三者の歯科医師からの意見も積極的に聞きにいきましょう。

インプラント治療を受ける歯科医院選びのポイント4選

これまでインプラント治療後の後遺症について解説してきました。しかし、必ずしもインプラント治療後に後遺症が残るわけではありません。後遺症を残さないためには、治療を受ける歯科医院選びも重要です。
ここからはインプラント治療を受ける歯科医院選びのポイントを以下の4つに分けてご紹介します。

  • 担当医の実績・経歴
  • 適切な価格設定
  • 治療設備が整っている
  • アフターケアの充実

担当医の実績・経歴

インプラント治療は、歯科医師の技術やノウハウが重要です。経験が少ない医師よりも、経験が多い医師の方が治療後の後遺症などトラブルが起きないように治療を進めてくれます。
骨格は人それぞれ異なりますので、その方にあった治療方法を模索しなければなりません。経験が多ければ多いほど、過去の事例などを踏まえてより良い治療計画を提案してくれます。
HPなどで過去の症例などの紹介をしている医院であれば、実績の判断材料となります。もし詳しい実績がわからない場合は、インプラントの学会資格を持っているかどうかも確認してください。
また、担当してもらう歯科医師の人柄も確認しましょう。患者に寄り添う姿勢があるか、丁寧に説明してくれるか、カウンセリングを受けたときに判断してください。

適切な価格設定

インプラント治療は、自由診療のため高額なお金が必要になります。歯科医院によって異なりますが、インプラント1本あたり30万円〜40万円くらいが相場の費用です。しかし、この費用は歯科医院が自由に決められるため、歯科医院の中には多くの患者さんを取り入れようと非常に安い金額で設定しているケースもあります。
相場よりも大幅に安い金額で設定している場合、アフターケアが十分ではなかったり、インプラントインプラント本体の耐久性が低かったりします。
価格が低すぎるインプラント治療を選ばないでおくのが無難です。

治療設備が整っている

インプラント治療後の後遺症である副鼻腔炎や出血は、治療前の精密検査で避けられるトラブルです。インプラント体をどこに埋め込むのか、どこに血管が通っているのかなどはレントゲンやCTスキャンなどの検査で把握できます。
そのため、検査の設備が充実している歯科医院を選べば後遺症が残るリスクを減らせます。
適切な治療計画を立ててもらうためにも、歯科医院のHPや口コミを確認し、治療設備が整っている歯科医院を選ぶようにしましょう。

アフターケアの充実

インプラント治療は治療をしたら終わりではありません。インプラントにぐらつきはないか、噛み合わせに異常は起きていないかなど素人ではわからない部分を確認してもらうためにも、アフターケアが充実している歯科医院を選んでください。
インプラント治療をするのであればその歯科医院と長い付き合いになると想定しておく必要があります。治療前のカウンセリング時に、アフターケアについて聞いておくと安心できるでしょう。

まとめ

インプラント治療後は、後遺症が残る可能性があります。後遺症のなかには、私生活に影響を与えるものもあるため注意が必要です。後遺症が残った場合はすぐに歯科医院に相談し、その後治療などの指示を受けましょう。
また、インプラント治療の実績が豊富な歯科医院を選んだり、治療設備が整っている医院を選ぶと後遺症が残るリスクを減らせます。長い付き合いになる歯科医院選びを慎重におこなうと良いでしょう。
当院ではインプラント治療をおこなっております。インプラントをご検討中の方は、イオン直結のおくだデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。港南台バーズ、ロピアにお越しの際もぜひお立ち寄りください。

この記事の監修者

本院院長 奥田 健太郎

略歴

2002年 日本歯科大学卒業
2002年 歯科医師免許取得
2003年 医療法人京和会梅田歯科 勤務
2005年 医療法人武内歯科医院 勤務
2009年 おくだデンタルクリニック開院 院長就任
2010年 九州大学大学院 博士号(歯学博士) 取得
2010年 九州大学大学院 歯学府 卒業
2011年 医療法人社団 健光会 設立
現在に至る

所属学会

アメリカインプラント学会
日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
AAIDアメリカインプラント口腔学会
日本顎咬合学会